1959年 第4世代 クラウンガード・サブマリーナ Ref.5512
via www.internationalwatchfairs.com
1959年 約18年製造が続く名作 Ref.5512が誕生します。
サブマリーナー史上初のクラウンガードを採用、ダイビング時に岩などにぶつかって破損しやすかったリューズを守る画期的な装備になります。初期モデルはリューズショルダー(クラウンガード)の先が平らな「スクエア・クラウンガード」になっています。
スクエア・ガードからポイント・ガード(尖がりリューズ)へ
Ref.5512は実用的なビンテージ・ロレックスとしても大変人気なモデルです。
ムーブメントは クロノメーター公認キャリバー1530を搭載(後にCal.1560、Cal.1570へ)。
200m防水 40mmへ拡大されたケースとRef.6538の進化形にあたりますね。
発売当初はクロノメーター表記の無いもの、外周サークルダイヤル、アンティーク愛好家に好まれるミラーダイヤルなどのバリエーションがあります。
画像のクラウンガードの先に注目!
とんがり過ぎ!
ポインテッド・クラウン・ガードと呼ばれる 尖がりリューズガード。1960年中盤頃からはツインロックからトリプロックに変更され、
またマリン・スポーツが一般的になり、ウェットスーツの上からも着用できるようフリップロック式のブレスレットが採用されるなど徐々に進化していきます。
1963年 第4世代 ノンクロノメーター・サブマリーナー Ref.5513
1963年 Cal.1530を積んでRef.5512の下位機種 Ref.5513が誕生します。
防水性200m、クラウンガードはRef.5512同様ですが、ノンクロノメーターとスペックがやや落ちます。
後にCal.1520へ変更になります。Ref.5512より更に長い1980年代後半まで製造される長寿モデルとなります。
後期のモデルはインデックスにメタルのフチが付き雰囲気が変わりますね。
(※メタルフレームが付くことによりダイヤル上のインデックスの劣化にストップがかけられた。)
ビンテージロレックス市場ではフチナシの古いモデルの方が好まれます。
Ref.5513は正式に英国軍に採用されました。
ミリタリーサブマリーナーと呼ばれる軍用サブが誕生します。また、英国軍専用サブとしてRef5513の派生形Ref.5517も誕生します。
1961年にはフランス潜水作業専門会社COMEXが誕生します。
潜水時にCOMEXはサブマリーナーRef.5513をダイバーに支給していたとも言われています。
飽和潜水作業終了後の風防破裂事故の報告を受け後のシードゥエラー誕生につながります。
Ref.5513には開発段階のHEV(ヘリウムガス・エスケープ・バブル)が搭載されたレア・ピースがあります。
Ref.1665ファースト・シードゥエラーと同時開発のCOMEX専用サブマリーナーRef.5514も誕生しました。
どちらもレアロレックス・シリーズの記事のリンクがありますので、気になる方はチェックしてください。
Ref.5513 Ref.5517 ミリタリー・サブマリーナー
1966年の広告ですが、ソルティーウォッチと題されてます。訳し方が わかりませんが「航海の腕時計」としておきます。
「3.6.9」のダイヤルにスクエアクラウンガードの様ですね。
英国海軍、フランス海軍、カナダ海軍のダイバーが採用したと記されています。
via www.watchprosite.com
HEVことヘリウムガス・エスケープ・バルブが搭載されたプロトタイプのRef.5513
via www.watchprosite.com
COMEXの線作業風景画。
左手にはロレックスの絵でしょうか?
via robertmaron.com
COMEX専用リファレンスRef.5514
これもRef.1665を開発する過程でのプロトタイプでしょうか?HEVが見られます。
1965年 第4世代 デイト表示付きサブマリーナー Ref.1680
1965年誕生のカレンダー(デイト)表示付のサブマリーナー Ref.1680
サイクロップレンズを搭載し、ムーブメントはクロノメーター公認Cal.1575を搭載します。
1980年頃まで製造される人気モデルでした。
Ref.1680は日常生活で使用できるビンテージ・サブマリーナー御三家(Ref.5512/5513/1680)の1つです。
また赤サブと呼ばれる「SUBMARINER」の表記が赤い文字盤がビンテージ市場では高値で取引されます。
Ref.6538から見られる仕様ですが 理由は謎のまま、一般的な見解としてはダイビング時に無駄な情報をダイバーに与えないように暗い場所では見えなくなる「赤」を使ったのではないかとされています。
※ホワイトレターも見えてしまうならクロノメーターなどの表記も赤くてよいような気もします。
赤サブのプリントも白地に赤インク、元々赤インクなどバリエーションがあります。
1970年頃のモデルに多いようです。
via d.hatena.ne.jp
ROLEX REF.5513 SUBMARINER MAXI DIAL ’80
1980年代のモデルに見受けられる「マキシダイヤル」と呼ばれるインデックスが大きい文字盤のタイプがあります。
視認性の向上か、はたまたインデックスの耐久性を上げたのか不明ですが1分ごとのメモリにくっついている程の違いがあります。
1979年 第5世代 サブマリーナー・デイト Ref.16800
1979年 新型キャリバー3035を搭載したサブマリーナー・デイト Ref.16800が誕生します。
Ref5512が生産終了になり、ノンクロノメーターならノンデイト(5513)、クロノメーター公認ならデイト(16800)を選ぶ形に変化しました。
Ref.16800はサファイアクリスタルを採用し防水性が向上します。
防水300m、カレンダーディスクのクイックチェンジ、逆回転防止ベゼル搭載。
Ref.5513同様に後期のモデルはインデックスのフチにメタルフレームが付くようになります。
ミドル・ビンテージとしてフチナシ・ダイヤルは人気がありますね。
ZENMAIは以前所有していましたが、ハンドを新しいモノに交換されてしまい
焼けたインデックスと色違いになり、それがどうしても嫌で手放してしまいました・・・。
2000年代に買ったときは保証書付きで19万円とかでしたねぇ・・・失敗したぁ。
私物だった Ref.16800
Ref.168000
via www.hasegawa78.jp
6桁品番の謎モデル。
保証書にはRef.16800と記載があるが、ケースサイドには168000と刻印されているサブマリーナー・デイトがRシリアル(1988.89年)前後に存在します。
1989年 第6世代 サブマリーナー・デイト Ref.16610
1989年 第6世代のサブマリーナー Ref16610が誕生します。
デイトナより買いやすくエクスプローラーIよりも実用性があり
なによりカッコいいRef.16610はロレックス史上最強の日常腕時計ではないでしょうか?
2009年まで製造が続く大ヒット・ロングセラーモデルです。
Cal.3135に変更された以外は16800からの大きな変更点はありません。
80年代には現行まで続く基礎スペックは完成しています。
エクステンションの進化、フラッシュフィっトの強化、他のスポーツモデル同様の夜光、クリスタルの変更、ラグ横穴の撤退、ベゼルフチの刻印など微妙ながらも大きい進化をしつづけて6桁品番モデルでと引き継がれていきました。
Ref.16610LV サブマリーナー誕生50周年記念グリーン・サブマリーナー
2003年 サブマリーナー誕生50周年記念としてロレックスの企業カラー「グリーン」カラーのベゼルを搭載したサブマリーナーRef.16610LVが誕生しました。
スペックはRef.16610と変わりませんが、ダイヤルとハンドは別物となります。
マキシダイヤルと言われた80年代の文字盤のようにインデックスが通常より大きく視認性が上がっています。ハンドも同様に太いものが使われています。
製造期間が6-7年程度と短めな中でもバリエーションがあるRef.16610LV。
初期のベゼルカラーが後の物より薄くライムカラー・ベゼルと呼ばれています。
またFAT4やBIG SWISSなど、取りあえず微妙な違いを大々的に「別物」として扱っています。
ベゼルフチの刻印のある後期も含めますと4種類程度に分けられますね。
※FAT4(ファット・フォー)はベゼルの「4」の形が違います。初期のものがFAT4で中が四角、後に三角になりシャープです。
※通常は 28分から32分の間 6時位置に「SWISS MADE」と記載あるのですが、BIG SWISS(ビッグスイス)は27分-33分の間に飛び出して記載されています。
FAT4の「4」。
ベゼルの4の空白部分に注目ください。
私物 Ref.16610LV
因みにZENMAIの私物のグリーン・サブ。
後ろにぼやけてる息子に引き継ぐために生まれ年のモデルを購入しました。
当時はリーマンショックの影響で新古品(未使用品)でしたが Mシリアル 398,000円でした。もう1本買っておけば良かったかな。
NO BIG SWISS
NO FAT4
NO LIME BEZEL
1989年 第6世代 サブマリーナー Ref.14060
1989年 ノンデイトも新型が誕生します。
ロングセラーモデルRef.5513 4桁プラ風防に比べると、かなりの進化をしました。
Cal.3000(エクスプローラーI Ref.14270と同じ)を搭載、300m防水、サファイアクリスタル。
デイト表示が無いこと、クロノメーター公認でないことでRef.16610と区別された下位機種。
シンプルで使い勝手の良いモデルでした。
2000年 第6.5世代 ノンデイト「M」 Ref.14060M
2000年 記念すべき新世紀にRef.14060Mは誕生します。
この年は新デイトナRef.116520が誕生し6桁スポーツの時代に突入します。
Ref.14060Mはキャリバー3130を搭載しスペックアップして登場しました。
14060からの大きな変更点はムーブメントだけですが、他のスポーツモデル同様に進化は続きます。
2006.2007年頃にはついに悲願のクロノメーター公認となり、精度の保証となります(もともと精度は良かったですけど)。
クリスタルのレーザー刻印、ベゼルフチ(インナー)に刻印が入り現行機へと引き継がれました。
via shop.the-ticken.com
ノン・クロノと呼ばれる初期モデル。
クロノメーター公認の「SUPERLATIVE CHRONOMETER OFFICIALLY CERTIFIED」の記載が無い。
2010年 第7世代 セラクロム・サブマリーナー Ref.116610
2010年誕生の現行機 セラクロム・ベゼルを搭載するRef.116610系
Ref.116610LN Ref.116610LV
大きなスペックアップと言えば外観からもわかる通りベゼルがステンレスからセラミックに進化したことです。
ケースは40mmと同じ径ですが厚み(主にラグ)が出てマッチョな印象です。
クロマライト夜光が使用されスーパースルミノーバより長い時間発光されます。
人気のグリーンサブも継続されましたがRef.116610LVは文字盤までグリーンになり、海外では超人ハルクと呼ばれていますね。
ムーブメントはRef.16610と同じCal.3135ですが、3135自体も進化していてパラクロムヒゲゼンマイを搭載。
きれいなブルーカラーのヒゲゼンマイで耐久性や耐磁性など向上しています。
2012年 第7世代 セラクロム・サブマリーナー・ノンデイト Ref.114060
2012年 ノンデイトも進化します。
6桁スポーツ・モデルになったRef.114060
Ref.116610系と同じセラクロム・ベゼルを搭載、ケースもマッチョスタイルになります。
116610の廉価版と言う位置関係ではなく最新技術の詰まったデイトなしのサブマリーナーという新しいスタイルになりました。
ラグジュアリーライン ジェム・サブマリーナー
フジツボ・インデックス、ゴールド無垢モデルのラグジュアリー・サブマリーナー。
タフさとゴージャスさから軍高官などにも愛用されました。
via www.bobswatches.com
16800系にも高級ゴールド無垢モデルが引き継がれます。
所謂「青サブ」と呼ばれる、海を思わす深いブルーのベゼル+ブルーの文字盤が誕生します。
このカラーはゴールドを使用したモデルにしか使用されない高級仕様となります。
またロレゾールと呼ばれるコンビネーション・モデルが初登場します。
ヨットマスターが誕生する前のラグジュアリー路線、またはパイロット用としてステイタスが高まっていたGMTマスターとの相乗効果を狙ったのかも知れませんね。
16808 16803から黒ベゼル、青ベゼルの2つの展開で進みます。
ブルー文字盤の一種に「パープル」カラーの文字盤があります。
色褪せかと思われましたが、明らかな違いがあり 同様のモノが多数見受けられるので塗料違いなどのバリエーションと捉えられています。
初めてダイヤモンド・サファイアのジェムストーンが文字盤に付いた16610系。
黒・青の2種類のベゼルに、ブラック・ブルー以外にシルバー・ゴールドの文字盤も登場します。
via www.bobswatches.com
現行機の6桁品番の金無垢モデル。
伝統に倣い「青」「黒」のモデルが誕生しましたが、ベゼルはセラミック製のセラクロム・ベゼル。
via www.dellaroccawatches.com
海外では「スマーフ」北欧の妖精と呼ばれる、高級青サブ ホワイトゴールド・ブルーセラクロムベゼルのRef.116619。
かっこいい!
via worthly.com
Ref.116649EM Rolex Submariner “Emerald” – $326,800
ホワイトゴールドにエメラルド・ベゼル、ブレスレット中央にパヴェダイヤモンド・・・。
ヤバいヤツですね。
サブマリーナーは種類も多く、ビンテージ・ロレックス愛好家にはバリエーションの違いで楽しめる良いシリーズですね。
タフさ、防水性など日常使いにも便利で実用性の高さも人気を支えている原因です。
4桁のスポロレVRに手を出そうとした15年前に買っておけば~・・・と今では後悔してしまう値段になっていますね。
次のページはサブマリーナーの人気に迫ります。