THE ARCHETYPE OF THE DIVER’S WATCH THE SUBMARINER
サブマリーナーと言えばダイバーウォッチの元祖とも言える黒い回転ベゼルが特徴のデザインで、常に人気トップ3に入るロレックススポーツモデルです。使用目的上「タフで視認性が良い」という大きなメリットがあるため大きな防水性が不要な方にも恩恵があり、シンプルな見た目はビジネスシーンにもフィットします。
■サブマリーナーの歴史
via bruno-wristwatches.blogspot.jp
Rolex 6202 turn-o-graph
1953年 第1世代 ファーストモデル サブマリーナー Ref.6204
1953年誕生の潜水用防水腕時計 サブマリーナー Ref.6204
※発表は翌年1954年のバーゼル会場にて時間計測用回転式ベゼルを搭載し、通常のオイスター・モデルの2倍の防水性 100mを誇るプロフェッショナル・ウォッチとして生まれました。
潜水作業士やレジャーダイバーなどが海に潜る際に、酸素ボンベの酸素残量を計測できる回転ベゼルはRef.6202 ターノグラフ(Turn-0-graph)から引き継がれました。
最初期のベゼルはメモリの記載のない両回転式です。
Ref.6204の特徴は、ゴールドレター(記載が金色インク)に外周サークル文字盤(50年代のスポーツモデル共通)、
クラウン(竜頭)ガードが無いケースに、ストレートのペンシルハンド、ムーブメントはキャリバーA296(A260)が搭載されています。
A296はセミバブルと呼ばれる厚めの自動巻きムーブメントで、Ref.6204もケースバックがやや盛り上がっています。
文字盤には防水100mの記載は無く、秒針の先は「ロリポップ」と呼ばれるボール状のマーカーが付いています。
1950-1954年 Ref.6200 もう1つのファースト・サブマリーナー
ファースト・サブマリーナーRef.6204が発表される以前に防水100mのダイバーモデルRef.6200が誕生しています。
一説にはサブマリーナーのプロトタイプなのでは?と言われていますが、その存在は明らかになっていません。
キャリバーA296 防水100mなどスペック的にはRef.6204と同様ですが 既にベンツ針が採用され、後に採用される「BREVET」8mmビッグクラウン「デカリューズ」が使用されています。
またRef.6204と同じ1953年に誕生するファースト・エクスプローラーにも似た、アラビア3.6.9インデックスをRef.6200は備えています。
この点からプロフェッショナルダイバー、主に海中作業向けの兵士の為の軍用時計として生まれたのではないでしょうか?
3.6.9は視認性が高く暗い海の中でも時刻を読み取れ、大きめのクラウンも防水性向上と共に巻きやすさ丈夫さを求めているように感じます。
Military Submariner, Ref. A/6538
後に英国軍用サブマリーナーとしてRef.6540-Ref.A/6538が同じように3.6.9ダイヤルに8mmビッククラウンを搭載しています。
1954-1956年 第1.5世代 サブマリーナー Ref.6205
via fh24.it
ムーブメント Cal.A260を搭載した1.5世代目のサブマリーナー Ref.6505
針やベゼルなどかなりのバリエーションが見受けられる試行錯誤の時期のモデルですね。
ペンシルハンドのモデル、防水100mの記載があるモデル、メモリの打たれたベゼルを搭載しているモデルなど様々です。
SUBMARINERと書かれていないモデルまであります。
1956年 第2世代 セカンド・サブマリーナー Ref.6538 Ref.6536
1956.1957年頃誕生した 第2世代のサブマリーナー Ref.6538が誕生します。
ムーブメントはクロノメーター公認のCal.1030を搭載し、防水200メートルとスペックアップしています。
※文字盤に記載があったり、無かったりとマチマチです。大きめのリューズ(ビッグクラウン)とドーム型プラ風防で防水性を高めていますね。
ベゼルもメモリが打たれたもの、打たれてないもの、12時位置の▽が赤いもの、ペンシル針を使用したものなどバリエーションに富んでいます。
こちらはクロノメーターの記載がありませんね。
サークル文字盤にゴールドレターとアンティークの風味が出ております。Ref.6538にも3.6.9ダイヤルがあるようです。
※Ref.6538/Aと呼ばれるRef.6200と同じケースを使うモデルが登場します。
また007 ジェームス・ボンドモデルの1つと言われているビッグクラウン・モデルでもあります。
Ref.6538は英国海軍、カナダ海軍に採用されるモデルにもなります。
Ref.6536/1はRef.6538の下位機種として誕生しています。
ノンクロノメータームーブメントを使用し、防水も半分の100mとスペックダウンしています。
(※Cal.1030は同じです。しかし、日常生活には不便ないスペックであるためプロフェッショナル・モデルを普及品として販売しようとしていた戦略的モデルだと言えます。)
これはスペックを落とした廉価版としてRef.14060などのノンデイト・サブなども同じ戦略に合致します。
上のヨットの広告は明記は無いもののRef.6536の販促ポスターの可能性が高いですね。
自動巻きでタフだよ!ちょっとくらい濡れても大丈夫だよ!と言っています。
1958年 第3世代 サード・サブマリーナー Ref.5508 Ref.5510
Ref.5508
1958年頃 第3世代のサブマリーナー Ref.5508が誕生します。
ムーブメントがキャリバー1530にスペックアップしますが、ノンクロノメーター、100m防水とRef.6538に及びません。Cal.1530を積んだ廉価版としてRef.6536と併売しようとしたのかも知れません。
via www.watchesandart.com
Ref.5510 は2年間と言う短命で生産終了するサブマリーナーです。
5508同様ノンクロノメーターのCal.1530を搭載します。
防水は倍の200m、ビッグリューズ・モデルですね。
1960年 トリエステ号がマリアナ海溝1万908mの潜水に成功
世界初の偉業 深海の底へ人類が到達した瞬間 潜水艦の外部にはオイスターケースがあった。
ロレックスの実験機ディープシー・スペシャルがトリエステ号の船外に取り付けられ深海1万メートルまで潜ります。
過酷な状況、大きな水圧に負けず正確な時間を刻むことに成功したロレックスは大々的に広告宣伝します。
1960 DEEP SEA SPECIAL
オイスターケースの信頼性、ロレックスの技術力が世界に広まりました。
イカリマークは防水性の証
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