オーバーホールって何だ?~ロレックスの使い方と修理について~

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■オーバーホールって何だろう?

オーバーホールは「分解洗浄」と言い、時計をパーツ1つ1つにまで分解して文字通り洗浄し、調整し組み立て直す作業を言います。

ムーブメントには固まらずパーツの摩耗を防ぐ潤滑油が注油されていますが、使用していくうちに油の汚れなどがムーブメント内で飛散し徐々に精度が落ち油も切れていきます。適度にオーバーホールをしムーブメントを健康な状態に保つことで「長持ち」させることができるのです。

1つの時計のオーバーホールにかかる作業時間や、職人の目の疲労などを考慮すると1日に完成させることができる本数は限られます。

オーバーホールの費用が高いととるか、安いととるかは、その方次第ですが「自動車の車検」くらい重要なものと把握しておくべきですね。定期検診を放っておくと思わぬ故障が起き、パーツ自体の交換など費用がかさむ場合もあるのです。

3~5年に1度はオーバーホールをしましょう。

こちらはウォッチモンスターのオーバーホール作業動画です。ケースから出しパーツを分解し洗浄機に掛ける前までを倍速に編集されています。この後ケースに組み込みながら調整していくのです。場合によってはケースの研磨も行い新品の様に甦らすことも可能なんです。

■ロレックスを着けていくうえで注意すること

簡単に言いますと「壊れる原因」をお伝えしていきます。
壊す人は本当に扱いが「雑」です。
そんな事ないよ!と言う人ほど、壊しやすい。
壊れたんじゃなく「壊した」のですね。
まず機械式高級腕時計は「精密機械」だという事を理解していない。
「衝撃」「振動」には弱いのです。
「熱」「水」「磁気」も気を付けましょう。
ここでは、こんなシチュエーションでも壊れるよ!と言うものを書きだしていこうと思います。

1.フカフカの絨毯に、机の上から落とした・・・「衝撃」でムーブメントに損傷がある可能性
2.スポーツをやる際にもロレックスを外さない・・・「衝撃」「振動」などがムーブメントに損傷を与える原因に
3.車のダッシュボードに置きっぱなしにした・・・「熱」で内部が変形したり、潤滑油が蒸発したりする可能性
4.窓際の机に置いておいた・・・「熱」直射日光がガラスを通し内部を熱した可能性
5.風呂には浸かってないがサウナでもロレックスを外さない・・・気圧が高まり「水分」が内部に侵入した可能性
6.風呂には浸かっていないがシャワーを浴びた・・・想像以上にシャワーの水圧は高いので竜頭に当てることで「水」が侵入する
7.エレベーターに乗っていただけで時間がずれた・・・エレベーター側面に貼ってる磁石式のカーペットの様なものとロレックスが接触し磁気帯び故障
8.普段は事務作業で、激しい運動もしないのに・・・パソコンから20~30cm以上離しましょう。携帯電話も着信時にロレックスと接触させないように
9.バッグにしまっておいたのに・・・女性物のバッグの金具が強力な磁石タイプのものがあります。ご注意を。

■ロレックスが壊れてしまったら

愛用するロレックスの調子が悪い、時間がズレる、動かない、ガラスが曇っている・・・など「おかしな症状」が出てきたら急いで修理に出しましょう。
では、ロレックスはどこに修理を出したら良いのでしょうか?
まだロレックスの保証が残っている個体なら、迷わずメーカーへ連絡しましょう。
その場合購入店でも大丈夫です。
中古品の場合は、販売店舗によって対応や保証期間が変わりますので確認してみましょう。

郵送専用のロレックスサービスセンターもあります。
〒135-0016
東京都 江東区 東陽 3-28-6
ロレックス東陽町ビル
Tel: 03-5857-2315

東急ハンズやデパートにも時計修理のブースがある場合があります。
商店街や町の時計屋さんでも修理可能だったりします。
ただロレックスの正規パーツが必要な修理などは、きちんとした修理工房やメーカーにお願いしたいですね。
ゼンマイ切れ、ガラス割れ、竜頭破損などは即メーカーが安心です。

■アンティークロレックスのオーバーホール

日本ロレックスの修理期間は生産終了から約25年とされています。
個体によって変わりますが「修理パーツ」が無くなってしまいます。
VR(ビンテージロレックス)などは日本ロレックスのメンテナンスが受けられなくなる可能性がありますね。
その場合は、信用できるアンティーク修理店や自力でスイスのロレックスに修理依頼をするしかありません。
東京都・森下の「ケアーズ」はドナー制修理パーツを用意し、回復不可能なムーブメントから正規パーツのみ取り出し元気なムーブメントに移植して修理しています。
また、日本ロレックスでメンテナンスをオーダーすると基本的には「完全な状態」にして戻してくれます。


枯れた文字盤や、焼けた針などオリジナルを楽しみたい場合でも強制的に新しいものに交換されてしまいます。
画像の様に針が劣化していたためトリチウムからルミノヴァ夜光の針に交換されちゃった例です。
もちろん断ることもできますが、調子の悪い他の部分も修理してもらえなくなります。
正規メンテナンスのメリット・デメリットをよく考え、日本ロレックスにメンテナンスを依頼する際はきちんと内容を把握したうえで依頼してください。


次はロレックスの使い方の疑問を解消していきます。

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