ロレックス エクスプローラーⅠについて~冒険者のシンプル時計~

CRAFTED AROUND EXPERIENCE THE EXPLORER

デイト表記もない、回転ベゼルもない、至極シンプルな分故障も少なくタフで視認性に長けた冒険者・登山家用プロフェッショナルモデル「エクスプローラー」。
3.6.9と大三角形が印象的なダイヤル、スムースベゼル、他のスポーツモデルより一回り小さく手首に馴染むサイズが「特に日本人に好まれています」。
Ref.1016、14270、114270の3モデルの人気はこの20年衰えることを知らず、デイトナ、サブマリーナーに次ぐ憧れのモデルとなっています。
エクスプローラーが正式な名称ですが、エクスプローラーⅡとの区別をするため「エクスプローラーⅠ」と呼ぶのが一般的ですね。

カジュアルにもスーツにも合うようにしたのは90年代のカリスマ・木村拓哉氏。
ドラマで着用しロレックスを一般化した功労者です。
それまではロレゾールデイトジャスト「コンビでシャンパンのデイジャスト」「ローレックス」の時代でしたが、ドラマ放送後はスポーツモデルが若者の支持を集めるようになりました。
その後ずっとエクスプローラーは人気モデルで、高級時計の入門機になっています。
初めて買った高級時計がエクスプローラーⅠだったという人も多いのではないでしょうか?
このモデルの売りは「タフさ」と飽きの来ない「シンプルで視認性の良さ」です。
エクスプローラーをもっと知るために、約60年続くエクスプローラーの歴史を振り返ってみましょう。

■エクスプローラーの歴史

1953年 エドモンド・ヒラリー氏率いるイギリスのエベレスト登頂チームの偉業により「探検家/冒険者」の腕時計の地位を築いたエクスプローラー。
1930年代からスポンサーを続けていたことで、広告宣伝の結果へと繋がります。
実際にヒラリー氏ではなく、シェルパを務めたテンジン・ノルゲイ氏が付けていた腕時計がエクスプローラーのプロトタイプだったと言われています。
Ref.6150とRef.6098がその候補です。

1954年 第2世代 セカンドモデル・エクスプローラーRef.6610

EXPLORER REFERENCE 6610via www.phillipswatches.com

1954.1955年誕生のRef.6610
ムーブメントはクロノメーター認定のCal.1030お馴染みのベンツ針に、防水性能は50m、ケースサイズは35mmになりました。
セミバブルではなくフラットケースバックになったのはCal.1030が搭載されてからですね。

1963年 第3世代 サードモデル・エクスプローラーRef.1016

Sprezzatura: The evolution of a true icon (12594)

ビンテージ・ロレックスの定番人気モデル エクスプローラー Ref.1016。
Ref.6610のデザインはそのままにムーブメントと防水性が上がります。
ハック機能なしのCal.1560、100m防水、35mmケース。
クラウンガードのないシンプルな腕時計の基礎は、ここでガッチリと決まりました。

Original purchase inventory: Ian Fleming’s Rolex 1016 Explorer wristwatch - James Bond Watches Blog (12598)via jamesbondwatchesblog.com

1960年代 中盤~後半にかけてハック機能付きクロノメーター公認ムーブメントCal.1570へ変更されます。
Cal.1570搭載モデルの方が中古相場は高いですね。
また、初期モデルはCal.1560にゴールドカラーのインデックスのレトロタイプになっています。
1988年頃まで作られる長寿モデルとなりますが、最終品番となるシリアル・アルファベット「R」「L」に人気が集中します。

The Space Dweller is a vari...via www.rolexforums.com

The Space Dweller is a variation of ref.1016
日本向けモデルと言われている「スペースドゥエラー」もRef.1016の仲間です。

1990年 第4世代 キムタクモデル・エクスプローラーRef.14270

Rolex - The History of the Rolex Explorer I (12606)

1990年 5桁品番になったエクスプローラーI Ref.14270。
約2年間の沈黙を破り生まれ変わりました。
近代的なフォルムに洗練られ、サファイアクリスタルに変更、
インデックスもプリントではなくメタルになり、ムーブメントはCal.3000へ進化しました。
1990年から数年は、あまり人気がありませんでしたが95年放送のドラマ「ラブ・ジェネレーション」で木村拓哉さんが着けて大ブレークします。

ブラックアウト
1990年頃の初期モデルの一部に「ブラックアウト」と呼ばれるインデックスに夜光が塗られていないレア・モデルがあります。
夜光が塗られていないインデックスが作られた理由は定かではありませんが、視認性のテストや、製造工場の違いなどが理由として挙げられています。
この使用はRef.214270の登場時にも起こりました。
詳しくは記事後半で。
ディティールの変更
・Ref.14270は最終品番がP番となりますが、後期のモデルはトリチウムから新夜光ルミノーバに変更されています。
(※文字盤6時位置下の「T」マーク表示が無くなります。)
・初期モデルではシングルロック・クラスプを使用しています。
・中期モデルからラグ横のブレス結合穴が無くなります。

2001年 第5世代 ミレニアム・エクスプローラーRef.114270

2001年に誕生した新世紀エクスプローラーI Ref.114270。
6桁品番になり、ムーブメントはCal.3130へ強化。
36mm 100m防水は継続。
フラッシュフィット部の強化、クリスタルへの王冠レーザー刻印、
ROLEX OYSTER PERPETUAL EXPLORERの書体同一化などの特徴があります。
(※Ref.14270までは書体が違うんですよ!お持ちでしたらチェックしてみてくださいね。)
2007年頃からはケースの内側(文字盤との境)にROLEXやシリアル番号が刻印されるようになります。

2010年 第6世代 ビッグ・エクスプローラーRef.214270

リファレンス 214270 2016via www.rolex.com

2010年誕生の39mm 大型ケースに進化したエクスプローラーI Ref.214270。
キャリバー3132。クラスプなどが進化します。
しかし、ケースの大型化に伴わないデザインが酷評されます。
114270のハンド流用などアンバランスなイメージがあった214270。
話題は「ブラックアウト」の3.6.9インデックスに注目が集まりました。
今年のバーゼルワールド発表の新エクスプローラーでは、そのあたりが改善されました。

2016年 第6.1世代 3.6.9夜光・エクスプローラーRef.214270

2016のバーゼルワールドの新文字盤発表までは「ブラックアウト」の状態がノーマルでありましたが、6年間と言う短めの製造だけにレアモデルとなるか今後に期待したいですね。
しかしバランスは、こちらの方に軍配があがりそうです。

レア・エクスプローラー ボーイズ Ref.5500/Ref.5504

5500 Explorer "Facts" (?) and Myths - Rolex Forums - Rolex Watch Forum (12626)

1960年代 Cal1520を積んだボーイズサイズ(33mm)のエクスプローラー Ref.5500が誕生します。
5500はAir-kingのケースを流用し、ノンクロノメーター・ムーブメントを使用します。
外観はRef.1016に酷似していますが、SUPER PRECISIONやPRECISIONの表記となっています。
主に中東エリア(の英国軍PX/軍事施設の売店)にて展開されていたモデルのようです。
(※Ref.6429 COMANDOのようなモデルでしょうか?)
Ref.5504は北米向けのモデルで5500同様エアキングのケースを流用しています。
(※やはり同じくノンクロノメーター・ムーブメント)
Ref.5506はカナディアン・エクスプローラーと呼ばれる白文字盤(ギョーシェ彫り仕様)。
1950年代に見られます。

エクスプローラーの人気

90年代の中頃までは10万円代で売られていたエクスプローラーREF.14270。
1016も20万円代が普通でした。
今でこそロレックスの顔のような存在ですが、日本で人気に火が着いたのは冒頭で書きましたが
ドラマで着用した木村拓哉さんの功績がとても大きいでしょう。
それまでREF.16233コンビのデイトジャストや、お金持ちならデイデイトなどが流行っていたバブルの名残があった90年代。
スポーツモデルよりゴージャスさが求められていた感はありますね。


97年のラブジェネレーション。
めちゃくちゃ流行りましたね。
「月9」なんて言葉も定着しました。
当時定価は34万円だったRef.14270も在庫が枯渇しプレミアム価格になっていたのを想い出します。
エクスプローラー1がスポーツモデルの火付け役となり、他のモデルもどんどん注目を浴びるようになりました。
雑誌の表紙もロレスポが占めるようになります。
社会人になった私も、キムタクファンの友人が「ロレックス、ロレックス」言っていたので頭に刷り込まれ、冬のボーナスを全部使ってロレックスを買うことになるのですが・・・。
因みに私はラブジェネレーションをちゃんと観たことがありません(笑)
Ref.14270
1998年です。定価オーバー。
Ref.1016
Ref.1016も人気モデルとなりました。
Ref.14270BlackOut
ブラックアウトはそこまで評価されていませんでした。
 (19745)
こちらは1999年。人気は続きます。
2001年にはムーブメントが進化し6桁品番REF.114270になります。
引き続きエクスプローラー人気は衰えず、定価オーバーの相場でした。
その後も1016、14270、114270の3モデルは多くの著名人も愛用する人気モデルとしてテレビや雑誌で見ることになります。
今ではリーズナブルな価格帯のスポーツモデルになっていますが、見た目のシンプルさ格好良さは変わらず愛用者も多いですね。
2010年にはREF.214270になり39mmへと大型化してしまいました。
ファンも賛否両論ですが、現在の人気から見ると「否」が多いのかも知れません。

次のページはエクスプローラー1のレアポイントを見ていきます。